ごあいさつ

ココロ、ささえる。
この街を、支える。

地域の中で求められる専門性と、受診へのハードルを下げる利便性が2本柱。

 

皆さまのこころの健康を支え、願わくばこの街を支える一助となる事を目指しています。

ごあいさつ(開業から6年を迎えて)

混乱の中、私たちに何ができるだろう?

この文章を書いている今(2020年4月)、世間は、未知のウイルスへの対応と不安とで一杯の状況です。

学校が、始まらない。大都会に、人がいない。パソコン画面で、多くの人が話し合っている。これらは感染症対策の必要に迫られての産物ではあるのですが、自分も40年生きてきて、これほどに、これまでの「あたりまえ」が、あたりまえでなくなる状況を、経験したことはありませんでした。

そうしたなかで、私たち「こころの診療所」のあり方も、求められてくることも、当然に大きく変わっていくことになる。

今はその途中です。まだ答えは見つかっていません。ただ、こうしたときは原点に立ち返るのが大事とも考えます。いったん、スローガンに立ち返る。「ココロ、ささえる。この街を、支える」このような混乱のときに、私たちが皆さんのこころを支えるために、願わくばこの街を支えるために、これからできることは何だろうか?試行錯誤ですが、探していきたいと思います。

振り返れば、これまでも試行錯誤してきた。

答えを導くヒントを探しに、私たちのこれまでを振り返ります。私たちは2014年5月に開業し、今で6年になります。開業する前までは精神科の病院に勤務しており、主に、入院を必要とするこころの不調の方の治療やケアに従事していました。開業の初期は、そうした「病院での治療」の価値観の延長で、運営をしていたように思います。

しかし運営を続けていくと、専門の病院で求められることと、地域の診療所で求められることの違いを、肌で感じるようになってきました。病院に来られる方は一見重症です。一方で、生活の場所からは離れた病院に入り、治療にのみ集中することになります。逆に診療所に来られる方は多くが一見軽症です。しかし一方で、治療のみでなく、その人の背景・環境を見ることが重要になってきます。会社や家庭での人間関係、学校での同級生とのありかた、現実の生活・生計のこと。来られる方に相対することは、その人にまつわる社会と相対することでもある。

そうしたなかで、大きく2つの変化を、目指してきたように思います。一つは診療所としての専門性。病状の重さに対応する(病院型の)専門性よりも、社会で生きる人を支えていくための専門性です。その具体的な形として、10代の方への対応、復職へのリワークデイケア、発達障害の診断や集団プログラムを行ってきました。

もう一つは診療所ならではの「身近さ」。地域に出た実感として、予想以上に多くの方が様々な心の悩みを持たれていること、そしてそれをなかなか相談しにくいことを痛感しました。そして重症になってから受診される方も少なくないこと、特に入院を要する方はそうした状態であることもわかりました。こころの不調を悪化させないためには「早めに相談できる医療機関」が必要であり、それを体現するには、何よりも「受診へのハードルを下げる」必要があることがわかりました。その実践として、土日も含めた週7日受診できる体制や予約システム、ホームページでの心の不調の情報発信を行ってきました。

こうした試行錯誤の実践を経て、「ココロ、ささえる。この街を、支える」、このスローガンに行きつきました。こころの治療を愚直に実践する。それを通じて、結果としてその人たちの暮らす社会や街を支えることができれば。そうした思いの中、運営を続けていきたいと思います。

答えはまだわからない。しかし、探し続ける。

再度、今の社会情勢に戻るならば、本来はこのような混乱やストレスに満ちているときこそ、こころの診療所の役割は大きくなるはずです。

一方、まだ、今の段階では、皆さんのストレスや苦悩に、まだこたえられていないのでは、との葛藤があります。まだ、「答え」は見つけられていないということなのかもしれません。

しかし、どうしたらこたえられるようになるか、その答えを探し、改善を続けることは、何があっても続けていきたいと思います。これまでも試行錯誤してきました。これからも試行錯誤していきます。そして、ご来院いただく方にとって、少しでも力になれればと思います。

不眠、落ち込み、不安など、こころの不調の兆しがあったなら、ぜひご相談いただければと思います。お待ちしています。

令和2年4月28日 医療法人 Heart Station 府中こころ診療所 理事長・院長 春日 雄一郎

院長写真

院長経歴 資格:精神保健指定医、精神科専門医、産業医

理事長・院長略歴

平成17年 東京大学医学部卒業

平成17年 天理よろづ相談所病院初期研修医(ジュニアレジデント)

総合内科を中心に、幅広い科の研修を行う

平成19年 国立精神神経センター病院精神科レジデント

精神科一般病棟のほか、アルコール専門病棟、てんかん専門病棟で研修を行い、途中、都立梅ヶ丘病院(現 多摩小児総合医療センター)で児童精神科の研修を積む

平成21年 医療法人永寿会 恩方病院 精神科医師

おもに急性期病棟で、統合失調症、うつ病、認知症、躁うつ病の方に対し治療を行う

平成24年 医療法人永寿会 恩方病院 精神科医長(疾患教育担当)

病棟・外来での治療のほか、統合失調症の方への集団精神療法(きぼう塾)、病棟での集団認知行動療法、統合失調症の方のご家族のための家族教室を企画、主催する

平成26年 府中こころ診療所 開業(院長)

平成30年 医療法人Heart Station 府中こころ診療所 理事長・院長

  

資格等

精神保健指定医

日本精神神経学会精神科専門医

臨床心理士

日本医師会認定産業医

認知症サポート医