府中こころ診療所は、2014年に開設し、うつ病、適応障害、発達障害など、さまざまなこころの悩みを持たれる方のご相談をお受けしてまいりました。その中で、ご相談、ご要望にお応えできるよう、試行錯誤を続けてまいりました。

その結果、現在では、次の4つを、特徴および目標として、掲げていきたく思います。

①リワークデイケアを含めた、くすり・精神両面でのうつ治療

②検査・診断から集団療法まで、つながりを持った発達障害診療

③不登校・発達障害など、10代のこころへの治療・ケア

④多職種チームによる、地域で連携しての治療対応

具体的な内容を、以下に述べてまいります。

①リワークデイケアを含めた、くすり・精神両面でのうつ治療

当院へのご相談で最も多いのが、仕事をされている方の「うつ」(うつ病・適応障害)に関するものです。こうした「働く方のうつ」は、休職や退職など、その人の生活にも大きな影響をもたらし、ひいてはご家庭全体への影響も大きくなりえます。また、復職後の再燃リスクの問題も指摘されており、より長期的視点もカバーした治療計画が求められてくると思われます。

うつ病の治療でよく言及されるのが、「くすりの治療(薬物療法)」と「休養」です。確かにこの二つは病状の改善のためには重要なのですが、復帰後にストレスがかかったとき、ぶり返さず仕事を続けられる状態を作ることも、また同様に重要です。

その点を踏まえ、ただ休養して薬を飲むだけでなく、段階的にリハビリを重ねたり内省を行うなどして、復帰後のストレスにも対応するための「復帰準備性」を整えるため、当院ではリワークデイケア「こころリワーク」を開設しています。

受診初期は休養や薬の治療を中心に、中期以降には治療とリワークプログラムを組み合わせて、症状改善と再燃予防の両面をカバーしたうつ治療を行い、スムーズな仕事復帰とその後の再燃予防継続の両立を目指してまいります。

また、10代、産後、更年期、介護関連、ご高齢の方など、さまざまなライフサイクルにおいて出現する「うつ」(うつ病・適応障害)に対しても、くすりの治療と行動・心理面への働きかけの両面から、その人の状況に即した治療を模索してまいります。

うつ治療の3段階

うつ治療の3要素

(関連項目)

こころの病について:うつ病

当院の取り組み:働く人のうつ

こころの病について:適応障害

こころの病について:自律神経失調症

こころの治療:こころリワーク

こころの治療:ストレス・マネジメント

こころの治療:薬物療法

②検査・診断から集団療法まで、つながりを持った発達障害診療

近年、お子さんから、働く人に至るまで、幅広い範囲において「発達障害」の問題が注目されています。学校や職場でミスを繰り返してしまったり、対人関係がなぜかうまくいかないことが続いているときに、背景に発達障害が隠れている場合があります。また、こうした「なぜかうまくいかない経験」の積み重ねで、対人的な不安や落ち込みなどが慢性的に生じること(いわゆる「二次障害」)が見られることもあります。

こうした悩みの改善や解決のためには、発達障害の可能性を想定したうえで診察や検査等を行い診断や特性を把握すること、そして特性に対しての工夫や必要な時のくすりの治療を通じて、「生きづらさ」を改善し、その結果二次的なこころの不調の改善を図ることが重要になります。

当院では、系統的な問診と、WAISやPARSなどの診断にとって重要になる検査を組み合わせることによって、診断と特性の把握を図り、対策等のアドバイスを行います。

また、診断や傾向がみられる方に対して、集中的に障害特性の理解と対策について学習し生きづらさの改善を図る「発達障害集団プログラム」を土曜日に行っています。

発達障害治療

(関連項目)

こころの病について:大人の発達障害

こころの病について:ADHDについて(成人)

こころの病について:自閉症スペクトラム障害について(成人)

当院の取り組み:発達障害集団プログラム

③不登校・発達障害など、10代のこころへの治療・ケア

10代(思春期)は、心身の変化が大きく、その負担等によってこころの不調を来す事が少なくありません。また、10代までの生活やこころのあり方や行動習慣が、その後の長い社会生活でのこころの状態にも大きく影響してきます。

その中でも、不登校についてご相談をお受けすることが多くなっています。背景にこころの病(うつ病、適応障害、社会不安障害など)や発達障害がみられることがあり、その場合、精神科的な検査や治療が重要になる場合があります。また、引きこもり等を合併している方に関し、精神科訪問看護(スタッフが家に訪問し、生活等の援助を行うサービス)を行える場合があります。

また、幼少期から発達障害のフォローを受けていた方に関して、思春期になると精神的な症状が目立つようになることがあり、より精神的な対応が重要にあることがあります。そして、こどもの時はご家族など周りの人がケアの中心だったのが、思春期、大人になるに従い、ご本人が対応(ケア)の主体になってきます。

このように、10代(思春期)はこころの健康を考えるうえで重要な時期ですが、そのためにできることに尽力したいと考えております。

10代のこころ、不登校、発達障害、移行期医療

(関連項目)

10代のこころ:10代のこころ

10代のこころ:不登校

10代のこころ:10代の発達障害

10代のこころ:移行期医療(トランジション)

当院の取り組み:訪問支援

④多職種チームによる、地域で連携しての治療対応

当院では医師のほか、臨床心理士、精神保健福祉士、看護師、医療事務と、様々な専門スタッフが、計20名以上で診療しています。

そのため、外来診察のみならず、必要に応じて、心理検査、福祉制度への対応、リワークデイケア、精神科訪問看護といった専門的なケアを行うことが可能になりました。

また、複数の精神保健福祉士が常勤勤務しており(H30.6月現在常勤5名)、当院のみではカバーしきれない場合においても関係機関(医療機関、公的機関等)と連携を行い、解決への模索を行っていく所存です。

当院の多職種チーム

(関連項目)

当院の取り組み:福祉相談

当院の取り組み:訪問支援

こころの治療:こころリワーク

10代のこころ:10代のこころ