こんな症状はありませんか?

メンタルの不調は、こころの症状のみならず、からだの症状(自律神経症状)やかかわり・行動の症状のかたちで出てくることがあります。そして、以下にあげるような症状は、メンタルの不調の初期症状の可能性があります。もしこれらの症状が気になって、早めに手を打ちたいときは、お気軽に、ご相談ください。

こころの症状

気分が浮かない

落ち込みは、うつ病・うつ状態の代表的な症状です。こころの不調がなくても、ストレスに反応して気分が浮かなくなることもあります。ただし、ストレスが解決しても症状が続いたり、悪化が続く場合は、治療を検討した方がいい場合があります。

以前楽しめたことが楽しめない

うつ病・うつ状態の主な症状のなかに「興味が減る(楽しめなくなる)」ことがあり、これはストレス反応では出にくい傾向があります。また、楽しめなくなると気分転換が難しくなり、ストレスが発散できず悪循環におちいりやすくなります。症状が持続、悪化する場合は、ご相談いただいた方がいいかもしれません。

もの忘れが増えた

「ものわすれ」というと「認知症」を想像される方も多いと思いますが、うつ病・うつ状態の症状でも「ものわすれ」が発生します。脳の活動性の低下、不安などで集中できないことなどが背景とされます。ストレスや落ち込みを背景として物忘れが増えた場合は、うつ病・うつ状態の症状の可能性があります。

なお、ご高齢の方で落ち込みと関係なく徐々に物忘れが進む方は認知症の可能性を、幼少期からうっかり気が散って忘れてしまう方は発達障害(ADHD)等の可能性を念頭に置きます。

集中できない

仕事や勉強に集中しにくくなることが、うつ病・うつ状態の症状として出現することがあります。特にストレスの存在や、ほかの「うつ症状」と連動するときは、その可能性が高くなるでしょう。なお、幼少期から一貫して集中ができず、気が散ってしまう場合は、発達障害(ADHD)傾向の可能性を念頭に置きます。

自分を責めてしまう

以前はそうでなかったのに、最近「自分を責めるようになった」場合、うつ病・うつ状態による変化を念頭に置きます。もちろん、性格として以前から「自分を責めやすい」場合もあると思われますが、その場合も、ストレスがたまりやすくなるため、長期的には、ご自分の「考えのくせ」に目を向けていただけるといいかもしれません。

何回も確認しないと不安

不安障害など、さまざまな不安関連の不調で確認が多くなる傾向があります。その中でも、手洗いに10分以上かかるなど、不安と確認によって生活に大きな支障が出る場合は、「強迫性障害」の可能性があります。

治療の基本は、「あえて確認をしない(暴露反応妨害法と言われます)」練習の反復ですが、一人で行うことが難しかったり、薬の治療を並行しないと難しい場合もあります。その場合は、心療内科にご相談いただければと思います。

怒りを抑えられない

ひとえに「怒りが抑えられない」と言っても、その原因は様々です。幼少期からの経験の影響の方もいれば、うつ病に伴って感情が不安定になっている方も、幼少期からの発達障害が原因となっている方もいます。一度受診をすることで、原因と対策がはっきりする場合もあるかもしれません。(ただし、解決が難しい場合もありますことにつき、ご理解のほどをお願いいたします)

感情の波が強い

「感情の波が強い」とき、「躁うつ病(双極性障害)ではないですか?」とご相談を受けることが増えてきています。躁うつ病でも気分の波がでますが、ストレスの反応や生理周期の影響(月経前症候群)でも、一見類似した「感情の波」が出ることがあります。ご相談いただいた場合、病歴等から総合し、診断、鑑別を進めてまいります。

からだの症状

眠れない

「眠れない(不眠)」は、うつ病・うつ状態の代表的な症状でもある一方、ストレスの影響や睡眠環境など、複合的な要因で起こりえる症状でもあります。また、不眠が続くことが、ストレスや疲労の蓄積をもたらし、うつ病等の悪化要因になることも見られます。そのため、不眠は、早めにご相談、対策をすることが、こころの健康にとって望ましいと考えられます。

だるい・疲れやすい

だるさ、疲れやすさは、うつ病・うつ状態の代表的な症状でもありますが、不眠や過労などの別の要素があったり、貧血やからだの病気の症状として出現することもあり、心身両面の可能性を視野に入れる必要があります。ほかのうつ症状や大きなストレスがある場合、または内科等で体の原因が見つからない場合には、心療内科の受診をご検討ください。

急に動悸・冷や汗が出る

電車やバスで、急に強い不安とともに、動悸や冷や汗などの症状が出た場合は、「パニック発作」の可能性を想定します。(これを繰り返す等のこころの不調が「パニック障害」です)ただし、心臓や甲状腺など、体の不調が隠れている場合もあります。検査などで異常はないが、パニック発作や、普段からの不安が続く場合は、心療内科の受診をご検討ください。

おなかの不調が続く

胃潰瘍や逆流性食道炎など内科的な不調が原因のことが多いですが、一方で、症状があるけれども検査しても原因が見つからない場合があり、内科的には「機能性ディスペプシア」「過敏性腸症候群」といった診断になります。

これらは、ストレス等、こころの問題が背景にあるおなかの症状であり、いわば「おなかの自律神経失調症」と言えるでしょう。この場合、内科的な薬があまり聞かないことがあり、その場合は、心理的なアプローチが有効になることがあります。

頭痛・めまいが続く

頭痛やめまいが持続し、一方で、内科や耳鼻科で検査を続けても異常が見つからない場合があります。検査でも異常が見つからないが、症状が続く場合は、「自律神経の影響」言い換えれば心理的な背景を検討することが、有効かもしれません。なお、代表的なめまいの原因である「メニエール病」は、ストレスの影響が強いとされています。

耳鳴りが続く

耳鳴りが続く場合、耳鼻科的にも、原因が不明の場合がしばしば見られます。一方で、心理的要素から、耳鳴りが出る場合もあるとされます(自律神経失調症)。わかっていない要素も多い分野と言えますが、もしストレスの自覚や、他のうつ症状なども合併の場合は、一度、心理的な検索を行うことが有効かもしれません。

なお、「悪口を言われる」声などが続けて聞こえる場合は、心療内科・精神科にご相談ください。

痛みが慢性的に続く

痛みが続いているが、内科等で検査をしても明らかな原因が得的できない場合があります。(慢性疼痛)その場合、痛み止め等が処方されるが、効果は部分的にとどまることも多く見られます。

個々人により状況は様々ですが、人によっては、心理的な要素により、痛みが増幅されることも見られます。一部の抗うつ薬に「腰痛」などの適応があり、薬物療法が有効のこともあります。

かかわり・行動の症状

人前ですぐにあがってしまう

以前は「あがり症」などと言われていた状態です。その中に、性格的なものだけでは説明できないほど強い場合もあり、診断基準上「社会不安障害」と定義されるようになりました。社会不安障害には、場面を避けず、徐々に慣らしていく「脱感作法」が有効とされますが、一方で抗うつ薬が有効とされ、保険適応となっています。

対人不安は重度だと、人との関わりを避けるなど、生活にも大きな影響を及ぼすこともあります。もし長年悩まれていたならば、心療内科にご相談する方法も、あるかもしれません。

電車・乗り物を避けてしまう

パニック障害の症状として前述の「パニック発作」のほか、「予期不安」と呼ばれる症状があります。発作が起きそうな場所への不安が強くなり、その結果、その場所を避けるようになっていきます。これは一種の「対処」ともいえますが、長期的には「回避」する場所が増え、生活に支障をきたしえます。この場合、治療を行いつつ、苦手な場所に徐々に触れていき、慣らすことが有効になるとされます。

苦手なことを避けてしまう

パニック障害に限らず、強い不安が起こる「不安障害」では、不安な場面を避ける(回避)ことがあります。これは、短期的には不安を避けられますが、長期的には「回避」する場面が増え、生活に支障をきたす事があります。この場合、必要時に抗うつ薬などを用いつつ、徐々に、苦手な場面に「慣らす」ことが有効とされます。

会社に行けない

うつ症状を背景として、会社に行こうとすると吐き気などの体の症状、重い落ち込みなどのこころの症状が出現し、会社に行けなくなることがあります。これは、からだがいわば「拒否反応」を起こしている状態とたとえられるでしょう。ここでさらに無理をするとさらに悪化する恐れが高いため、なるべく休むこと、および医療機関に相談することが大事になるでしょう。

なお、引きこもり状態など、慢性的に「外に出られない」「仕事に行けない」場合に関しては、原因を特定しつつ、ストレスへのもろさが目立たない場合は、徐々に「慣らしていく」ことが有効になることがあります。

学校に行けない

ストレスやうつ症状を背景として、学校に行こうとすると吐き気などの体の症状、重い落ち込みなどのこころの症状が出現し、学校に行けなくなることがあります。頑張っても症状が出ると仮定すると、ここで無理をしてしまうとさらに逆効果です。

まずは安全を確保したうえで、様々な角度からの対応を検討することになります。その中の一つに、こころの医療があるでしょう。

子供にイライラしてしまう

育児の中でイライラ、落ち込みが目立ってくるとのご相談をお聞きします。背景としては、産後のホルモンの変化の影響(いわゆる「産後うつ病」)と、育児環境でのストレス蓄積の影響の2つがあります。前者であれば必要時の薬物療法も含めた精神科的対応が、後者であればストレスを減らすための環境調整等が重要になるでしょう。

介護がつらくて限界だ

認知症など、継続的な介護が必要な場合、注意しなければいけないのが「介護者の燃え尽き」です。初期はストレス反応(適応障害)でも、そのまま負荷が続くと、うつ病に移行することも見られます。

まずは、介護環境を(ケアマネージャーと相談する等)整えて負荷を減らすことが重要ですが、それでも症状が続く、悪化する場合は、受診が望まれることもあるでしょう。

時間を守れない

「時間を守れない・遅刻してしまう」ことが、工夫しても続いてしまう方がいます。特に就職してから、これは大きな問題となり、社会生活に支障がでたり、同僚や上司に不信感を持たれてしまうことがあります。そのなかに、注意欠陥多動性障害(ADHD)があることで、時間を守ることが難しい方もいらっしゃいます。診察・検査を受けることで、特性や対策が見える場合もあると思われます。

約束や持ち物を忘れてしまう

子供の頃から、持ち物や約束を忘れてしまう方がいます。子供の頃は周囲のカバーで何とかなっていても、10代以降、もしくは就職後に問題が大きくなることがあります。努力や工夫をしても問題が続く場合に、注意欠陥多動性障害(ADHD)の可能性を想定します。 ただし、うつ病など、他の不調が原因でも、「忘れやすくなる」ことがあるため、診察時にはそれらの可能性や体の原因の可能性の除外も行っていきます。

人との関わりがうまくいかない

関わりがうまくいかない原因は様々です。以前の失敗体験が影響している方もいれば、躁状態など、精神的な不調からうまくいかない方もいます。その中で、幼少期から、「ほかの人と違う」「人の気持ちがわからない」などの症状があって、関わりがうまくいかない方がいらっしゃいます。「自閉症スペクトラム障害」という発達障害でこうした状況が起こることがあります。当院では、様々な可能性を念頭に、うまくいかない原因や対策につき検討していきます。