主な質問、心療内科・精神科の府中こころ診療所

以下の質問項目について、タップ(もしくはクリック)していただきますと、回答が出てきます。

初めての診療について

どんな症状の時に、診てもらえますか?

落ち込む、眠れない、急に不安になるなど、こころの症状は様々です。また、「仮面うつ病」や「自律神経失調症」のように、むしろからだの症状が強く出ることもあります。こころの不調がある時、からだの不調があるが、ストレスが影響したり、内科などで異常が見られないときは、ご受診いただけるかと思います。

何歳以上の方を診察してもらえますか?

現在のところ当院では中学生以上の方を対象としています。小学生以下の方は、専門の治療期間の受診を、ご検討いただければと思います。

初めて受診したいですが、当日でも受診できますか?

平日に関しては、枠が満員でない限り、当日受診が可能です。(なお、土曜の枠は限られており、なるべく平日の受診をお願いいたします)空き状況など、まずはお電話もしくはメールでのご相談をお願いいたします。

大人の発達障害について、診てもらえますか?

当院では、大人の発達障害(ADHDなど)についての診察、検査が行えます。診察、心理検査等を行って診断を行い、必要時には薬の治療等をご相談させていただきます。なお、診察開始から、診断確定まで、3-5回ほどの診察、検査等を要するため、目安としては1-2か月ほどかかることにつき、ご理解のほどお願いいたします。

子供に発達障害がないか心配ですが、診てもらえますか?

中学生以上の方について、診察、検査を行うことが可能です。特に中学生、思春期の時期には、二次障害や不登校のリスクが高まり、症状が目立つことも多いとされるため、可能性が示唆される場合にはご連絡ください。

心療内科と精神科の違いは何ですか?

心療内科は「ストレス・精神的な要因から体の症状が出るご病気への治療」を、精神科は「こころに強く症状が出るご病気への治療」を行います。ただし、「仮面うつ病」では、うつ病だが体の症状が主に出るように、この2つの科の分野は重なるところが多く見られます。当院は心療内科・精神科の双方を標榜しているため、必要に応じ心身両面からのアプローチを行ってまいります。

初回の診察に準備するものはありますか?

保険証の持参を必ずお願いいたします。それに加え、各種制度(自立支援医療、ひとり親など)をご利用の際はその受給者証、他の科で薬が出ている場合はそれがわかるもの(お薬手帳など)、他院から紹介の時は可能なら紹介状のご持参をお願いいたします。また、病状などの把握のため、病歴やこれまでの生活歴のメモ等がありますと助かります。(発達障害の診察の時には、通知表など、幼少期の客観的な様子がわかるものがあればお願いいたします)

車いすを用いていますが、受診できますか?

当院には、エレベーターでご来院でき、車いすの方用のトイレもあるため、ご来院いただける状態にあります。

生活保護を受給していますが、受診できますか?

可能です。受診の際に、医療券をご持参ください。医療券がない場合は、代わりになるもの(連絡書、医療要否意見書、受給証(緊急時のみ))をご持参ください。こうしたものがない場合は、受診のために市町村への確認が必要になります。

「自立支援医療」を使って受診できますか?

可能です。受診の際に、保険証のほか、受給者証をご持参ください。この制度では、受診する医療機関と薬局の指定が必要です。他院から当院に受診変更される場合は、通院する医療機関の変更を、市町村の窓口で行ってください。

費用は、どのくらいかかりますか?

診察に関しては、初診時2300円ほど、再診時1500円ほどが予想されます。ただし、検査や診断書等は別料金となり、処方せんが出た場合は、処方に関して、薬局でのご負担が生じます。

他のクリニックからの紹介状は必要ですか?

本来は、スムーズな引継ぎのためにあることが望まれますが、諸事情で困難の場合は必須ではありません。ただし、薬の引き継ぎは非常に重要なので、飲んでいるお薬が客観的にわかるもの(お薬手帳等)は必ずご持参をお願いします。

診察時間は、どのくらいかかりますか?

初診の場合は、スタッフのご相談も含めて約50-60分になります。再診の時は病状にもよりますが5-10分が想定されます。

初回の診察では、どんなことをするのですか?

まず、専門のスタッフが、これまでの状況などにつきお聞きいたします(予診)。そのうえで、医師の診察に入ります。医師の診察では、予診の内容をもとに、より診断に結びつく情報をお聞きしつつ、客観的な状態なども観察していきます。そのうえで、現段階での見立て(どういった状態かなど)につきお伝えし、必要な治療法についてご提案します。(なお、初回で診断が確定する場合もありますが、診断まで数回かかる場合もあります)そのうえで、継続しての治療が必要かの見立てをお伝えし、必要な場合は次回の予約を取り、終了します。

働いていて、日中の受診が難しいです。

当院では、月・水・金曜日は19:30まで診察、土曜日も17:00まで診察しています。特に再診のときは、そういった時間も含めて、ご検討いただければと思います。

診療・治療法について

こころの病の診断は、どんな基準でするのですか?

基本的には、診断はアメリカの診断基準である「DSM-5」をもとにして行っていきます。ただし、同じ診断基準を満たす症状であっても、その人の性格傾向や環境など、さまざまな要素が、その人ごとに違います。診断基準を基にしつつも、その人にまつわる個性を総合的に考慮して、その人ごとの治療計画を立てていきます。

また、時にからだの病気が原因で診断基準を満たす症状が続く場合もあるため、必要時は血液検査等を行い、からだの病気の除外を行うことがあります。

からだの病気でも、似た症状は出るのではないですか?

たとえば、肝臓の不調でだるさ(倦怠感)がでる、低血糖で不安感が強くなるなど、体の病気で、こころの不調と同様の症状が出ることがあります。特に、甲状腺という臓器のホルモンの不調で、精神不調の症状が出ることを経験します。そのため、必要時は血液検査を当院で行ったり、提携医療機関で画像検査などを行うことで、体の不調の有無を確認、除外することがあります。

一方で、一見からだの病気と思えるようなからだの症状(頭痛、耳鳴、胃痛など)の背景に、こころの病気が隠れている場合があります。からだの症状が続くが、いくら検査しても異常が出ない場合は、こころの不調の可能性を想定することになります。

もの忘れ・認知症の検査はできますか?

当院では、初診の時などに、基本的な記憶の検査をすることが可能です。その検査と、これまでの情報を総合して、診断を組み立てていきます。より精密な検査が必要な時は、提携医療機関で画像検査などを行うことが可能です。

こころの病の治療はどんなものがありますか?

精神療法と、薬物療法が2本の柱です。

精神療法というと、以前は精神分析のような、個人の内面や無意識に焦点をあてた治療を指していましたが、現代においては、認知行動療法のような、現在の行動や思考のパターンに焦点をあてたものや、職場との環境調整やケアシステム環境の構築など、こころの改善を目的とした、周囲への介入も含めた継続的・総合的な介入全般を指すといえると思われます。

薬物療法では、こころに効く薬での治療を行います。脳の不調を直接整える薬、緊張を緩和して、間接的に休養をもたらし改善を図る薬など、さまざまな薬があります。

精神療法と薬物療法はとかく「どちらが優れているか」「どちらが正しいか」といった文脈で比較されることがありますが、当院としては、この2つは対立するものではなく、必要に応じ組み合わせ、補い合ってより患者さんに効果を出していけるものと考えています。

薬はいやです。認知行動療法でなんとかなりませんか?

「場合による」というのが答えになるかと思います。認知行動療法は、その人の今の考え方や行動のパターンを見直し改善することから、こころの不調の改善を図る方法です。副作用は少なく、適用できる範囲も広いことが長所で、軽症の方の治療や、うつ病などの再燃予防には特に有効です。

一方で、地道な取り組みの継続が要点のため、すぐの強い効果は望みにくく、症状が強い時や(統合失調症など)脳の不調への薬の介入が必要な時は、認知行動療法のみでの治療は望ましくないことがあります。

なお、認知行動療法と薬物療法は対立するものではなく、薬物療法で土台を整えてから認知行動療法を必要時行うと、相乗的な効果が期待できることが多いと考えます。

休養入院はできますか?

当院は入院設備を持たない無床診療所のため、当院への休養入院は行えません。入院が必要な状態と判断した場合は、提携している病院との連携を図っていきます。(ただし、提携先のベッド状態に依存する面があるため、期間がかかることがあります。入院を要する状態になる危険の高い方は、入院のバックアップ体制のある病院の受診をお勧めいたします)

どんな場合は、入院した方がいいですか?

①こころの不調のため、自分や他者を傷つける恐れが強い場合

②食事がとれない状態が続くなど、家では健康の確保が困難な場合

③家では休養や服薬ができず、外来環境での治療が困難な場合

などが、入院環境での治療が望まれるケースです。

なお、パーソナリティ障害などによって、反復して健康の確保が難しくなる状態の場合は、不調時のバックアップ体制が重要になるため、入院での緊急対処が行える病院での治療が望ましいと思われます。

どんな場合は、(クリニックではなく)病院に通院した方がいいですか?

①現在、入院治療が必要な状態の場合

②今後、入院治療が必要になる可能性が高い場合

③情動不安定など、不調時の入院での緊急対応が必要な場合

などに関しては、安定した治療継続・改善のため、病院での治療が望まれます。

会社で休職の話がでましたが、対応できますか?

うつ病をはじめとしたこころの不調には、まずは休養を確保して、ストレスを減らすことがしばしば重要になります。その方法としてしばしば休職が必要になります。

診断書の作成やその後の計画的な療養・リハビリ、傷病手当の書類の作成など、総合的な対応が必要ですが、当院での対応が可能です。

また、休職の際は、確実な回復と(復帰後再発しないための)リハビリが重要ですが、当院では外来診察のほか、リワークプログラム(こころリワーク)を行っており、リハビリ、再燃予防も含めた総合的な対策を取ることができると考えます。

会社でリワークの話がでましたが、対応できますか?

はい。当院では、リワークプログラム(こころリワーク)を行っています。継続的に参加することで「生活・勤務と類似のリズムや活動の練習」「再燃予防のためのストレス対処技術の獲得」「似た悩みの方と交流することでの、客観的な病状や対策の把握」などを模索することができるのではないかと存じます。

リワークとは、そもそもどんなものですか?

うつ病等で休職・退職された方が仕事に復帰するための集団で行うリハビリのプログラムです。当院では1日3時間、最大週5回で行います。集団で、特にストレス対処などに特化した活動を行うことにより、復帰のための活動の準備をするとともに、復帰後のストレス対処の方法論の獲得を図ります。「安定した状態での復職」のほか、「再燃リスクの減少」「ストレス耐性の改善」などを合わせて目標とします。

貴院のリワークの特徴はどんなものですか?

当院の「こころリワーク」では、特に次の2つに重点を置いています。

①復帰後にも生きる「ストレスマネジメント」の習得

リワークプログラムにおいて、活動を増やすなど「復帰準備性」を整えることはもちろん重要です。一方、当院でもう一つ大事と考えるのは「復帰後の再燃予防」そのための技術としての「ストレス対処技術」の獲得です。集団認知行動療法やストレスマネジメントなど、復帰後の社会場面で「以下にストレスにうまく対処するか」その技術を学ぶための心理プログラムを重視しています。

②速やかなリワークへの導入

リワークプログラムでは、時間をかけて集中的に心理・身体的なリハビリを行うことができ、有効性の高さを実感するところです。一方で、リワークを勧められてから、事前検査等で長期間の「待機期間」が生じ、結果として復帰に時間がかかっているケースも見てきました。

その点を踏まえ、当院通院中の方に関しては、治療初期からリワーク導入を想定した見立てを行い、スムーズに(待機期間短く)参加開始できることを重視しています。

必ず、通院はつづけないといけないのですか?

状態によって、続けての治療が必要かは決まってきます。初診の段階で、継続的な治療が必要かをまず判断し、提案させていただきます。そして継続の場合は、治療の結果十分改善があったときに、どのようなタイミングで治療終了を予定するか、検討していきます。

どのくらいの頻度で、通院することになりますか?

状態等によって個人差がありますが、治療初期は、こまめな状態観察と介入を要するため、1-2週ごとの通院が必要になることが多いです。状態が安定してきたら、次第に治療間隔が伸び、3-4週ごとの通院になっていきます。

引っ越しをするとき、治療を続けられるか心配です。

引っ越しを行う場合は、引っ越し先での通院引継ぎが必要になります。その場合、スムーズな引継ぎのために、診療情報提供書を準備いたします。(円滑な引継ぎのため、通院先の事前の決定が必要になります。ご理解のほどお願いいたします)

こころのくすりについて

薬を使わずに治療できますか?

薬を使わずに、精神療法等で治療を継続することは可能です。また、いわゆる「西洋薬」ではなく、漢方薬を使用していくことも可能です。ただし、状態によっては、しっかりと薬物療法を行った方が、状態の改善が見込める場合もあるため、その場合は、こちらから、薬物療法のご提案を行うことがあります。

どんな薬があるのですか?

状態・病名に応じて、様々な薬がありますが、診療所において処方することが多いのが、抗うつ薬と抗不安薬、睡眠薬です。抗うつ薬は、うつ病のほか、パニック障害や社会不安障害などに用いられます。効果が出るまで2-3週かかりますが、継続することで徐々に効果が出てきます。

一方で、抗不安薬や睡眠薬は、使用してすぐ効果がでますが、抗うつ薬のように脳の状態そのものには作用しない「対症療法」であり、長期使用の際の依存に注意を払うことが必要です。

薬の副作用が心配です。

薬によって、相性はありますが副作用が出る場合があります。具体的には、抗うつ薬では初期におなかの不調(吐き気など)が、抗不安薬では眠気などが出ることがあります。当院では、必要最小限の処方を心がけていきつつ、必要な薬に関してはメリット・デメリットをご提案・ご同意を確認のうえ、開始していきます。

薬は一度始めるとやめられないって、本当ですか?

抗不安薬などの「依存」の問題を心配されてのことと思います。確かに、漫然と長期使用すると依存のリスクがありますが、必要性を認識の上、必要最低限使用することで、リスクをなるべく減らすことができると考えます。また、不安場面への脱感作など、薬以外の方法論も並行していくことにより、減薬を図ることが行いやすくなると考えます。

抗うつ薬も、一度始めるとやめられないって本当ですか?

抗うつ薬は、その性質上、徐々に増減して慣らしていくことが重要で、急にやめると「離脱症状」が出現することがあります。これが、他の薬への「依存」と同じ文脈で語られてしまうことがあります。ただ、この二つには違いがあります。

離脱症状はあくまで「体の反応」であり、「精神的な依存」を伴いません。そのため、(個人差はありますが)ゆっくり、計画的に減薬することで、多くの場合やめていくことが可能です。たとえばパニック障害などでは、不安に慣らすことを繰り返して薬の必要性を減らしてから減薬・中止していきます。

将来的に妊娠希望なのですが、薬を使っても大丈夫ですか?

妊娠中に薬を使っている場合、一定の影響の可能性が示唆されています。(これは、こころの薬のみならず、高血圧の薬などでも同様です)特にてんかんや躁うつ病で使う薬については(リチウム・バルプロ酸など)リスクが高いとされ、特に慎重な判断が必要です。

そのため、可能な限り、漢方薬など、リスクが少ないとされる処方をまずはお勧めします。ただし、状態によっては、薬の必要性が、リスクを上回る場合もあります。その際は、服用のリスク・ベネフィットをご説明の上、ご相談させていただきたく思います。

内科や整形外科でもたくさん薬が出ていますが、一緒に飲んでも大丈夫ですか?

最近、特に高齢者の方での多剤併用のリスクのことが、注目されています。どうしても加齢に伴って様々な不調が出るため結果として薬が増えますが、増えすぎると今度は副作用や相互作用で不調になるリスクが増えてしまいます。

こうした方については、なおのこと慎重に、最低限の処方を心がけています。必要性が高い場合のみ、最小限使用の方針です。内科等で処方を受けている方はお薬手帳等をご持参いただければと思います。その処方状況も参考にして、治療計画を立ててまいります。

こころリワークについて

どんなひとが対象になりますか?

主にうつ状態(うつ病・適応障害)で休職もしくは退職された方が対象になります。うつ状態は、治療等で改善・復帰することも重要ですが、復帰後再燃せずに仕事を継続することもまた重要です。復帰後安定して仕事を継続できる「復帰準備性」を整えつつ、復帰後の「ストレス対処能力」を高め、より安定した状態での復帰後の仕事継続を目指します。

(なお、期間は2-4か月が目安のため、退職後、より長期のリハビリが必要な時は、「就労移行支援事業所」のご利用をお勧めします。)

どんな枠組みで行いますか?

現在のところ、「精神科ショートケア」の枠組みにて、1日3時間(9時―12時)、週5回で行っています。慣れてくれば週5回の利用が望まれますが、はじめは、少な目の回数から慣らすことも可能です。ご相談ください。

週何回くらい参加するといいですか?

初期は安定して慣らすため週2-3回ほどから始めることが多いですが、慣れてきたら、復帰準備性の改善のため、週5回の利用をお勧めします。

費用はどのくらいかかりますか?

1回あたり、3割負担ですとおよそ1100円、自立支援利用(1割負担)ですとおよそ400円になります。

リワークを行うことでの意味はどんなですか?

様々な効果が期待できると考えますが、代表的なものは以下の3つになります。

①仕事に近い活動を継続的に行い、「復帰準備性」を高める

治療初期は休養が重要ですが、仕事復帰のためには、段階的に負荷を高めて慣らしていき、仕事の負荷に耐えられる状態を作る必要があります。(いわゆる「復帰準備性」)朝に来院して、日中活動する習慣をつけることで、仕事類似の負荷に慣らし、復帰準備性を高めていきます。

②ストレス対処技術を習得し、再燃リスク減少を図る

うつ状態の発症・悪化・再燃には、ストレスが大きく関与します。そのため、特に復帰後、「ストレスにうまく対処する技術」は非常に重要になります。当院では、集団認知行動療法や対人技能訓練、ストレスマネジメントなど、復帰後のストレスへの対処技術を、様々な角度から学習していき、対処技術習得から、再燃リスク減少を図ります。

③似た悩みを持つ人と困難を共有する

うつ状態になった場合、ご家族も含め、なかなか身近に悩みを共有しにくく「わかってもらえない」孤独感から、葛藤が強まることは少なくありません。リワークでは、同様の不調、悩みからリハビリを図る方が複数来られており、その悩みを共有したり、他の人の対処法をヒントにすることができることがあります。

自分で準備しても同じではないですか?

確かに、ご自身で、図書館など、段階的に負荷を増やして行っていくのも選択肢になります。ただし、自力だけで、本調子ではない中で計画も含め行っていくことは負担が大きく、その点、枠組みがリワークで決まっていれば、継続しやすい面があろうと思います。

また、「ストレス対処技術獲得」「悩みの共有」に関しては、リワークだからこそ行える面があろうかと思います。

復帰に向けての相談を受けていただけますか?

リワーク継続の中で、活動、精神状態を確認しています。その状態と会社等の状況を踏まえ、当院ではフォローアップ面談をスタッフが行い、復帰までのプランをご相談していくことになろうかと思います。

ご家族の方について

家族が診察に付き添うことは可能ですか?

可能です。特にご本人が不調で、状態などを話しにくい状態にある場合や、未成年で、ご本人では話すことが難しい場合などは、なるべく同伴いただくことをお勧めします。一方、安定してくれば、ご本人のみで大丈夫な場合が多いです。

家族の落ち込みが心配ですが、どう、受診を勧めるといいですか?

うつ病などこころの不調は、早期診断・早期対応が非常に重要です。一方で、以前よりは敷居が低くなったとはいえ、心療内科受診には葛藤がある方も多いかと思います。

しかし、昨今では原則全労働者で「ストレスチェック」が義務になったように、こころの健康は、生活習慣病同様、多くの方が気を使うテーマになってきています。まずは「こころの健康をチェックする」といった意味合いで、受診を勧められてはいかがでしょうか。

祖父がうつ状態ですが、「精神科なんていくか!」と言っています。

特にシニア世代の方ですと、心療内科と聞くと、以前の「精神病院」(長期入院、重症など)のイメージが強いことも時にあるようです。一方で、心身一如という言葉もあるように、こころとからだの症状は強く連動しています。「こころとからだの健康をチェックする」といった意味合いで、受診を勧められてはいかがでしょうか?

うつ病の診断を受けた家族への対応のコツはなんですか?

うつ病の治療では「休養」が非常に重要で、これは「頭を休ませる」ことを意味します。そのため、ご家族としては「ご本人が安心して頭を休ませられる」環境づくりが重要です。具体的には「気を使わせない」「心理的負担をかけない」関わりが重要です。

腫れ物に触るような形だとかえってご本人が気を使ってしまいますし、「頑張れ」等はげますことは不調時には心理的負担になります。普段とあまり変わらず、ただしプレッシャーはかけない環境を心がけ、本人が話したいときにしっかり聞ける状態を作ることが重要と考えます。

以前「うつ病の人ははげましてはいけない」と指導され、その通りやってきましたが、大きな改善がないまま半年がたちました。

急性期(初期の強い不調)の時期は、なるべくリラックスして休養してもらうことが重要です。一方で、十分休養が終わり、安定はしたけども意欲、活動が戻らない場合に関しては、(無理がかからない範囲で)活動・リハビリを促した方が効果的な場合があります。(いわゆる「行動活性化」)

その場合は、負担をかけない範囲で「はげます」ことにもなろうかと思います。ただし、この部分は、本人の状態や特性等によって取るべき対応も変わってきますので、診察の中でご相談できればと思います。

部下が通院しているようですが、本人に秘密で相談できますか?

守秘義務の観点から、必ず、ご本人の同意が必要になります。ご理解のほど、よろしくお願いします。

家族が通院しているようですが、本人に言わずに相談できますか?

守秘義務の観点から、必ず、ご本人の同意が必要になります。ご理解のほど、よろしくお願いします。

うつ病・適応障害について

うつ病の原因は何ですか?

まず、うつ病と言っても、「ストレス反応」の特徴が強いものから「脳の不調」が強いものまで、個人差が大きいところがあります。そして、これが明確な原因とまでは、決まってはいない状況です。ただし、次の2つが、原因を考えるうえで重要です。

①ストレスの影響

心理的側面から考えると、ストレスの影響が色濃いことが特徴です。うつ病・適応障害とも、ストレスが発症の誘因にも、悪化要因にもなり、休養(ストレスを減らす事)が改善の糸口になります。

②脳内物質(セロトニン)の不足

脳科学的な視点では、うつ状態の際に、セロトニンという脳内物質の不足が関連することが示唆されています。その観点から、「脳内のセロトニンを増やす薬」が抗うつ薬として使用されています。

うつ病とストレスの関係はどうですか?

関係は「非常に強い」と考えます。発症・悪化・再燃にストレスが強く影響しますし、改善のための基本は、ストレスを減らす「休養」です。そのため、治療・リハビリの際にも、「ストレスへの対策」が大事です。

ストレスを減らすための環境調整(必要時に職場や部署を変えるなど)、ストレス対処技術の習得(リワーク等)が、具体的には重要になります。

仕事の時はうつですが、休日は元気です。これはうつ病ですか?

うつ病の定義上「2週以上持続する」となるため、うつ病には該当せず、仕事のストレスに反応しての「適応障害」になります。ただし、「1か月連続してのプロジェクト」など、持続するストレスで2週以上うつ症状が続いた場合は定義上「うつ病」になります。(ただし、ストレスの関与が大きく、対応は適応障害への対応に準じます)

この例にもあるように、診断も重要ですが、その人の状況を総合的に見て対策を判断することも、同様に重要と考えます。

「新型うつ病」ってなんですか?

以前のうつ病の方は「落ち込みがずっと続く」「まったく眠れなくなる」などの特徴があるとされてきましたが、最近のうつ病の方の中に「時間や環境で大きく状態が変わる」「むしろ過眠になる」など、違った症状の性質をもつ方が出てきています。これを総称して「新型うつ病」といいますが、専門家により意見がやや異なる面があります。

大まかにいうと、これまでのうつ病より「適応障害(ストレス反応)」の要素が強い方と言えるかと思います。そのため対策も、環境調整やストレスマネジメントといったより「適応障害の治療」的な対策が重要になると考えます。

うつ病の診断の後、休職を勧められましたが、なぜですか?

うつ病の悪化と改善のキーワードは「ストレス」です。そして、(無理して)仕事を続けることは大きなストレスになり、うつ病の悪化につながります。そのため、(生活等を抜きにして)病状改善を図るためには、休職がしばしば適応になります。

ただし、生活状況等で休職が行いにくい場合もあり、また、業務負荷の軽減など、もう少し軽い対策でも改善を図れる状態の場合もあるため、病状と環境要素などを総合して、休職するかについて判断することになります。

適応障害でも、薬は使いますか?

適応障害の場合は、ストレスへの対策、具体的には環境調整とストレスマネジメントがまず重要です。そのため薬は絶対的な適応ではありません。ただし、ストレスマネジメントはすぐに習得することが難しいため、環境調整が重要でもそれを行えない場合は、「下支え」として、薬物療法を行うことが望ましいことがあります。

また、重度の不眠や不安など、治療に明らかに悪影響となる要素が強い場合は、その対策として薬物療法を行う場合があります。

うつでは、薬は必ず使わないといけませんか?

(脳の不調が大きい)「うつ病」の場合、「必ず」とは言えませんが、抗うつ薬を用いたほうがいい場合が多いと考えます。休養など、他の方法のみでも改善を図れる可能性がありますが、(薬を使うより)かなり長期間を要することがありうること、また再燃予防の点で弱点があることより、抗うつ薬の使用を勧める場合が多いです。

なお、抗不安薬や睡眠薬は、必要な場合のみ、最小限用いる方向です。

2週前から調子が良くなりました。抗うつ薬をやめてもいいですか?

抗うつ薬は、継続することで効果が出るほか、再燃予防の役割があります。そのため、減薬や中止は、十分安定した期間を経て行うことが望ましいとされます。特に2週間の安定だと、まだ十分改善しているか不明な点もありますので、自己中断は危険があるため、まずは担当医へのご相談をお勧めします。

休職中はどのように過ごしたらいいですか?

初期は休養、中期以降は段階的なリハビリが重要です。

休職初期は、まずストレスを最小にするため休養に専念することが重要です。この時期は、だるさが目立ち動きにくかったり、過眠になることもありますが、それはあまり気にせず、休養に専念してください。考えすぎてしまうことが要注意です。その場合は、気分転換を行うなどして、再度「考えないで休養する」状態に戻してください。

中期以降は、段階的なリハビリが重要になります。まずは散歩をするなど、「体を動かす」リハビリから、徐々に行うことがいいでしょう。「少し疲れる」を目安に、徐々に負荷を増やしていきます。活動が戻ってきたら、しだいに読書など「頭を使う」作業も取り入れていきます。ここで十分な準備ができてから、後期には通勤練習や職場との面談など、復帰に必要な作業を取り入れていきます。

なお、リワークプログラムでは、中期以降の活動につき、段階的に行えるようになっているため、それを利用するのも一つの方法になります。

治療のひとつ「リワーク」とはどんなものですか?

「リワーク」とは、復職のために、一定時間通所して活動を行うリハビリのプログラムです。これを継続して行い、慣らすことで、仕事のストレスに耐えられる「復帰準備性」獲得を目指します。

また、当院では、プログラム内容として、認知行動療法などのストレス対処技術のプログラムを多く入れることにより、復職後に重要になるストレス対処技術の獲得を図ります。

リワークというと、とかく休職を繰り返す方への「義務」のように扱われることも耳にしますが、当院ではより前向きに、復職を目指す幅広い方に「復帰準備性」と「ストレス対処技術」の双方を獲得するための枠組みとして、リワークを提供させていただければと思います。

仕事に復帰しても、薬の治療は必要ですか?

抗うつ薬は、治療効果以外に「再燃予防」の役割もあるため、使用しつつ復帰することが望まれます。またほかの薬に関しても、復帰のストレスがかかった時期での減薬は危険が大きいため、まずは使用した状態での復帰を想定します。

一般には、復帰後半年は同じ量で継続し、その後可能なら減薬を図ることが、再燃予防の観点から望ましいとされます。

仕事に復帰後は、外来ではどのような事をしていきますか?

再燃予防を目標とした、継続的な状態のチェックと必要な助言を行っていきます。もし再燃の兆候があった場合は、そこですぐ対処することで、再燃を防げる場合があります。

半年以上経過し、安定が続く場合は、状況によっては減薬等を徐々に進めていくことになります。初発の場合、状態が許せば、減薬を継続して、最終的には服薬のない状態を目指します。(なお、再燃の場合は、その後の再燃予防のため、服薬を継続した方がいいとの見解があります)

うつ病は、再発しやすいのですか?

統計により数字は様々ですが、確かに、復職後の際休職率など、再発を示唆する確率は低いとは言えない状態があります。ただし、治療の実感としては、再燃の要素として、急な負荷の増加や薬の自己中断など、「対策すれば防げる」場合も少なくありません。

計画的・継続的に治療を行い、環境の調整を並行しつつストレス対処技術をしっかり獲得することで、再発リスクはだいぶ減らせるとの実感があります。

からだの病気とうつ病の関連はありますか?

場合にもよりますが、関連が見られる場合は多くあります。脳梗塞後のうつ病のように、直接の関連が示唆されることもあれば、慢性疾患(リウマチ、糖尿病など)後のうつ病のように、慢性的なストレスとの関係が考えられることもあります。

また、肝臓の不調での倦怠感や、甲状腺の機能の不調からの不安感など、からだの原因により、うつ病類似の状態が引き起こされる場合もあります。

どんな人がうつ病になりやすいですか?

いくつか、示唆される傾向はありますが、確定したものまではない、との見解です。体調不良やストレスはリスクになるとされるので、予防策としては、ストレス対処の方法論を身につけること、および(身体科での治療も含め)なるべく体調を良好に保つことなどが有効と思われます。

どんな仕事だとうつ病になりやすいですか?

調査によっては「対人援助職がなりやすい」「システムエンジニア(SE)がなりやすい」等の結果がありますが、調査によって差があり、一概には言えません。

ただし一般論として「負荷が大きい」こと以外に、「やりがいを感じられない」場合に、強くストレスを自覚する傾向が言われています。そのため、うつ病の予防のために「相性の合う仕事を探すこと」もしくは「仕事の中に、やりがいを見出すこと」は有効であるかもしれません。

まだ重くはないと思い、我慢したいのですが。

うつ病は「早期発見、早期対応」が重要です。重くないうちに対処を行えれば、短期間に、負担の少ない方法で改善を図れる可能性が高くなります。

ここでいう対処法は、薬以外にも、環境の見直しやストレス対処法の模索なども含まれるため、早めに受診して、現状把握と対策を行うことが、重要になるのではと考えます。

自分が我慢すれば済むので、受診したくありません。

うつ病は、第一にご自身が苦しむご病気ですが、他の方との環境にも影響が出てくることがあります。夫婦関係や職場での人間関係に影響したり、仕事内容自体にも影響が出てくることがあります。

早めに受診・治療することで、ご自身のみならず、周囲にも、いい影響がもたらされることがあります。

自分ではなんでもないと思いますが、周りから受診を勧められました。

うつ病の症状の中には、自分では気づきにくく、周囲から、言動の変化などの形で見えてくるものもあります。自覚症状がないから、軽症とは限らない面もあるため、ご家族などとご相談のうえ、受診されると何か今後へのヒントがあるかもしれません。

「躁うつ病」とはなんですか?

うつ病と症状に類似点があるこころの病です。症状は似ていますが、うつ病の逆の状態(躁状態と言われ、何でもできるなどと感じ、活動しすぎる)の時期があることが違いです。典型的な躁うつ病は見分けやすいですが、躁状態が軽度の場合は、うつ病と症状がかなり類似するため、見分けにくいことがあります。

一方で、メカニズムについてはうつ病との違いが言われており、うつ病の薬(抗うつ薬)はあまり相性が良くないことが多く、気分安定薬と言われる別の薬が有効とされるため、その区別は重要です。

うつ病と診断を受けて治療をしたが、改善がなかったり不安定になる場合には、躁うつ病の可能性があるとされます。その場合は、医師と相談し、診断について再度検討することがいいでしょう。

家族がうつ病と診断されました。かかわり方のコツはどんなですか?

うつ病の治療では「休養」が非常に重要で、これは「頭を休ませる」ことを意味します。そのため、ご家族としては「ご本人が安心して頭を休ませられる」環境づくりが重要です。具体的には「気を使わせない」「心理的負担をかけない」関わりが重要です。

腫れ物に触るような形だとかえってご本人が気を使ってしまいますし、「頑張れ」等はげますことは不調時には心理的負担になります。普段とあまり変わらず、ただしプレッシャーはかけない環境を心がけ、本人が話したいときにしっかり聞ける状態を作ることが重要と考えます。

落ち込みは自覚しないですが、なにかだるさや体の重さが続きます。

うつ病の中には、精神的な症状よりも、身体的な違和感が目立つ状態の場合があります。(いわゆる「仮面うつ病」)一方で、からだの不調でも、同様の症状は起こるため、どちらが要因かを検討することが必要です。

これらの症状があるが、からだの検査を行っても異常や原因が見当たらない場合は、こころの不調からの症状の可能性が高くなります。心身両面で調べつつ、こころの不調の影響が示唆されれば、その対策を取ることが重要です。

父の介護を続けていますが、次第にふさぎ込んできました。

高齢化社会の進行に伴って、介護関連での悩みや落ち込みでのご相談が増えてきました。

介護はその性質上、長期間、成果(達成感)よりも必要性によって継続していきます。被介護者の病状の変化で、負担が次第に増えていく場合もあります。特に負担を抱え込んでしまった場合にストレスが増大し、適応障害やうつ病(介護うつ)に至ることがあります。

まずは必要に応じて介護保険制度などを活用し、負担を抱え込まず分散して、ストレスを減らすことが、不調にいたらず介護を継続するために重要です。しかしそれでも不調をきたしてしまうこともあります。その場合はなるべく早いうちに、ご相談いただければと思います。

出産して2週したら、急に気分が落ち込んできました。

「産後うつ」の啓発が、最近進んできています。

出産は多くの場合喜ばしいことですが、出産後数週すると、急に落ち込みなどが生じることがあり、「産後うつ」と言われます。出産後に大きなホルモンバランスの変化があり、その影響が示唆されています。一過性で自然に改善することも多い一方で、長期化したり、悪化が続く場合もあります。重症化する前に、早めの対処が重要と考えます。

もし産後の不調が自然に収まらず、長引きそうな状況があれば、早めにご相談をいただければと思います。

1年育児を続けていますが、次第につらくなってきました。

産後のもう一つの不調が、「育児継続に伴ううつ状態」です。こちらは「適応障害」いわばストレス反応の要素が強いものです。どうしてもしばしば育児はお母さんとお子さんの1対1の関係が固定してしまいがちであり、息抜きが難しいこともあり、ストレスが蓄積して、不調をきたす事があります。

まずは、子育て支援センターなど、子育てを支援する機関と相談し、負担をできるだけ分散することで、ストレスを減らし、不調なく継続可能な育児とすることが重要です。しかし対策を取っても、ストレスが勝ってしまうこともあります。その際は、症状が重くなる前に、ご相談をいただければと思います。